インターネットを利用しているときに「インターネットが遅い」と感じたことはありませんか?
例えば、Yahoo!JAPANにアクセスしようとしたときに表示に時間がかかったり、YouTubeで動画を見るときにちょくちょく読み込みが入ったりする現象です。
そういった現象が頻発すると利用する側としてはとてもストレスフルだと思います。
しかし、こういった現象には原因が必ずあります。場合によっては自分で解決できるということも少なくありません。
今回はネット回線が遅いと感じたときに確認すべきポイントについてまとめて解説していきます。
なぜインターネット速度が遅くなるのか
結論から言いますと、インターネットの通信速度が遅くなる理由はただ一つです。
- どこかで情報が詰まっている
これを理解するには、インターネット通信がどのように行われているかを理解する必要があります。
インターネットの通信方法
インターネットというのは、互いに情報を送り合っています。
例えば、YouTubeで動画を見るとき、ざっくり言うと以下のような流れで情報を送っています。
まず、あなたのスマホもしくはPCから「YouTubeで自分が選んだ動画を観たいという」情報をYouTubeに送ります。
すると、YouTube社(正確にはGoogle社)は、指定された動画の情報を送り返します。
こうして、あなたは自分が観たいYouTubeの動画を視聴することができます。
このように、インターネットは要求と返答の2つの情報を送りあうことによって様々なサービスを利用することができるのです。
情報を送るスピードによって読み込みの時間が変わる
前述のように、インターネットでは要求と返答の2つの情報を送りあっています。
この時、送りあっている情報のスピードが遅いとサイトの読み込み時間が遅かったり、動画がカクカクしたり画質が悪くなったりしてしまいます。
なぜ情報のスピードが遅くなるかというと、送りあっている情報がどこかしらで詰まっていて情報をサクサクと送り出せなくなっているからです。
設備の性能によって速度が遅くなる場合
インターネットで送られる情報は様々な設備を通過して相手に届いていきます。そのときに、ある設備の性能が悪く情報の処理が遅かったりすると、相手に送る情報が減ってしまうので、速度低下が発生してしまいます。
上記の図を例に見ると、設備のところで情報をさばききれなくなってしまい通過できる情報が少なくなっています。これが速度低下の原因となります。
設備同士をつなぐケーブルに問題がある場合
設備だけでなく、設備同士をつないでいるケーブルが原因で遅くなってしまうこともあります。
ケーブルが低スペックのものだったり、劣化したものだと送れる情報量が少なくなってしまうため、速度遅延が発生してしまいます。
ケーブルにも出せる速度の上限値があります。
例えばPCやルーターなどにつなぐLANケーブルには以下のように規格が分かれており、それぞれ出せる最高速度が違います。
時間帯によって速度が遅くなる場合がある
実はインターネットは使っている時間帯によっても速度が変わってきます。
その理由は、インターネットを利用しているのはあなただけではないからです。
インターネットの利用者が殺到すると回線速度が遅くなる
インターネットは家庭や事業者問わず多くの人が利用しています。
多くの利用をしているということは、その分行きかう情報量も増えるということです。
つまり、どんなに性能のいい設備を用意してても、行き交う情報量が多ければ、その分通信速度も低下してしまうというわけです。
先ほど解説した「設備の性能によって速度が遅くなる場合」に似ています。
インターネットの速度を改善させる方法
インターネットの通信速度を改善させる方法は、情報が詰まっている箇所を直すことです。
先ほどの「インターネットの通信方法」の章で提示した図をもっと細かくして見てみましょう。
屋内はあなたの自宅内の設備、屋外はあなたの自宅から外の設備(設備管理者・ネット事業者)となります。
問題は各所に配置されている会社と設備、それをつなぐ無線とケーブルになります。
一つずつ紐解いていきましょう。
インターネットが遅い原因:スマホとルーター
まず、自分が用意している機器のスペックを確認しましょう。
数年前に買った機器を使用していると、規格が古いものだったり使用劣化によって本来の性能を発揮できないということもあり得ます。
スマートフォンの無線受信設備
スマートフォンは古い機種を使っていると、Wi-Fi機能が古い企画にしか対応していない場合があります。
Wi-Fiにも規格がありまして、規格によっては出る最高通信速度が異なってきます。
詳しくは下記サイトで分かりやすく説明されていますので、ぜひご参照ください。
ルーターのスペック
Wi-Fiや有線接続を行っているルーターも古い場合は、最新規格に対応していなかったり場合によってはセキュリティホールとなって情報を抜き取られる可能性があります。
前述したLANケーブルの規格や、Wi-Fiの通信規格をみてルーターを交換することで改善する場合があります。
また、「IPv4 over IPv6」や「v6プラス」のオプションを付けている場合、IPv6通信に対応したルーターが必要となります。
詳しくは、各ルーターのサイトにあるスペック(仕様)を確認してください。
下記に無線ルーターの主要メーカの対応表リンクを貼っておきます。
インターネットが遅い原因:ONU(対応難あり)
ONUとは、光ファイバーをLANケーブルで通信できるように変換する機器のことを言います。光回線を開通している世帯には必ず存在する機器です。(黒い箱でNTTのロゴが入っているのがそうです)
インターネットが遅い原因:NTTとプロバイダ(対応策なし)
ひかり回線が遅い原因は実は設備管理をしているNTTに原因がある場合があります。
ひかり回線は、光ファイバーを最大で32本に分岐させて各家庭に配線しています。
そのため、たくさんのユーザーがインターネットを利用する時間帯だと通信速度が遅くなったりしてしまうわけです。
これについては、我々消費者にはどうすることもできません。できる手段とすれば引っ越しをする程度ですし、引っ越し先が満足いく回線状況だという保証もありません。
独自回線で対応することもできる
また、独自回線と呼ばれるnuro光やauひかりを利用するという手段もあります。
これらの回線は、フレッツ回線と異なる線を使用しているため、回線が混雑するという事態を防ぐことができる可能性があります。
しかし、近年nuro光でも速度遅延が発生しているというニュースがありましたので、独自回線を利用することで必ず改善されるという保証はないことは覚悟する必要があります。
インターネットが遅い原因:NTTとプロバイダ
次は、光回線事業者とプロバイダに問題があるケースです。
ひかり回線が速度低下は、ひかり回線でのアクセスが多すぎてNTTのシステムがパンクしてしまっていることも原因にあげられます。
NTTにはNGN(Next Generation Network)というものがあり、光回線はこのシステムを介してインターネットに接続します。
しかし、このNGNはシステムのNTEという機器を経由してプロバイダと通信をしているのですが、実はこのNTEという機器に多くの利用者のアクセスが殺到しもはやパンク(輻輳)しているのが現状です。
実はこのNTEという機器はNTTが負担しており、利用者が多いという理由で簡単に増強することができない仕組みになっています。これが、ネット速度を遅くしている原因です。
IPv6通信対応の「VNE」を使ってアクセスすれば改善される
このようなアクセス殺到に対応できるように、VNEと呼ばれる事業者がNTEとは別の機器を設置して通信速度の高速化を図っています。
このVNE事業者は自費で専用のルーターをNGN上に設置しており、利用者が増えた場合でもVNE事業者で設備を増強することができます。
そのため、契約者に応じた設備を設置できることから、安定した高速回線を提供することができます。
インターネットが遅い原因:インターネットとサーバ(対応策なし)
結論を言うとこれは「運」です。我々ではどうすることのできない領域です。
しいてできるとすれば、ネットサービスの運営事業者にクレームを入れるくらいです。
ここは事業者の領域となるため、このような低スペックの設備でサービスを提供しているところにはアクセスしないということが一番の選択肢となります。
総括:インターネットが遅くなる原因の解決方法について
本稿の内容について総括します。
- インターネットが遅くなっている原因はどこかで情報が詰まっている
- インターネットは要求と返答の2つの情報の行き交わりで成り立っている
- 機器とケーブルの性能や劣化によってネット速度低下が引き起こされる
- 速度低下の原因を探るにはまず自分のデバイスが最新規格に対応しているか確認する
- ルーターが最新規格に対応しているものであるか確認する
- ONU端末についての劣化が心配の場合はプロバイダに連絡をしてみる
- IPv6通信に対応したプロバイダを選択する
- ネットサービス事業者の機器が問題の場合はあきらめる
上記の順で原因を探っていけば多少は通信速度は改善すると思います。
やはり通信速度が遅いとイライラしてしまうことが多いでしょう。
快適なネットライフを送るためにもぜひ今一度ネット環境の確認をしてみてください。