電話線だけで光回線は使える?電話線でインターネットをつなぐ方法

ひかり回線

インターネットを利用するにあたって現在最も主流な方法は光回線を使う方法です。

光回線は原則工事が必要で、屋外から光ファイバーをどこかの穴を通して屋内に引っ張ってくるという方法を用います。場合によっては、建物に穴をあけて光回線を通すということもありえます。

しかし、賃貸物件などは光回線の工事を大家や管理会社が許可してくれないという事態もあります。電話線しかないけど何とかインターネットを使えないかと絶望的な気持ちになるかもしれません。

ですがご安心ください。電話線があれば光回線を利用できる場合もあるんです。

そこで本記事は、電話回線を用いた光回線の利用方法についてまとめていきます。

プロフィール
この記事を書いた人

ネット回線解説サイト「ひかり博士」の管理者。
IT系会社にプログラマとして勤務。
基本情報技術者試験、応用情報技術者試験合格
ADHD、精神障害者手帳3級所持
一人暮らしを始めてネット回線の料金が高いことに驚き、「高い月額を払うならコスパのいい回線がいい」をモットーに、各回線のプランや割引などについて調べまくっている。ちなみに今入っている回線は「@nifty光」。

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電話線しかない建物で光回線を使う方法

電話線でひかり回線を利用するには、以下の条件をすべて満たしている必要があります。

  • 賃貸物件であること
  • 集合住宅であること
  • 賃貸住宅にVDSL設備が整っていること

順を追って解説していきます

条件1:賃貸住宅であること

家

持ち家の場合は、光回線を入れるための穴あけをするかしないかの決定権が持ち主にあるため、電話回線を用いたひかり回線を引くことができません。仮にできたとしても、利用するメリットはかなり低いため、おススメしません。これについては後で後述します。

一方、賃貸物件の場合は工事の許可を管理会社または大家からとる必要があるため、ハードルが高くなります。ここで断られたら次の項目に該当するか確認してください。

条件2:集合住宅であること

マンション

賃貸で戸建ての場合は、ひかり回線の設備がない家が多いです。そのため、何かしら工事をする必要があります。大家や管理会社から許可をいただけなかった場合は、ホームルーターの設置を検討してみてください。

集合住宅の場合は大家によって設備を準備している場合があります。次の項目に該当するか確認してみてください。

条件3:賃貸住宅にVDSL設備が整っていること

電話

賃貸住宅物件にVDSLという設備が整っていれば電話線でも光回線を利用することができます。

VDSLというのは説明すると長くなるため、端的にまとめると電話回線とりひかり回線を無理やり接続した設備のことを言います。

古い建物だと光回線の敷設がされておらず、唯一設置されている通信設備が電話回線だけということがあります。

賃貸物件で高速通信に対応したひかり回線を設置するには多額の費用が掛かるため、大家や管理会社は導入をあきらめていました。そこで登場したのがVDSLです。

VDSLだと既存の電話回線設備にひかり回線を接続することができるため、比較的安価にひかり回線を利用することができます。

そのため、多くの集合住宅物件ではVDSLが設置されていることが多いです。

設置されているかどうかはNTTに電話をすると確認することができます。

VDSLのメリット・デメリット

VDSLにはメリットとデメリットがあります。それぞれについてまとめていきます。

VDSLのメリット

VDSLのメリットは以下の通りです。

  • 複雑な回線工事なしで利用できる
  • 利用料金が安い

複雑な回線工事なしで利用できる

VDSLの設備はすでに集合住宅に備わっているため、工事において穴あけやビス止めなどが発生しません。そのため大家や管理会社への許可取りも不要ですので、気軽に回線を敷設することができます。

利用料金が安い

VDSLを使うということは自動的に集合住宅プランに加入することになります。

フレッツ光系列の回線は、戸建てプランよりも集合住宅プランのほうが安く設定されています。その理由は、マンションに住んでいる人で回線を共有しているためNTTにとっては利用効率が高いからです。そのため、多くの回線でhは集合住宅プランのほうが安くなっています。

VDSLのデメリット

VDSLのデメリットは以下の通りです。

  • 通信速度が遅い
  • 回線が混みやすい

通信速度が遅い

戸建てひかり回線の最大速度は1Gbps(1秒間に1ギガビットの情報を送信できる)です。

一方、VDSLでの接続となると通信速度は100Mbps(1秒間に100メガビットの情報を送信できる)とひかり回線の10分の1の速度になります。

これらはベストエフォート方式の速度であり、実際には戸建てひかり回線は200Mbps程度の速度になってしまうのですが、VDSLはどんなに通信環境が良くても100Mbpsを超える通信速度は出ません。

戸建てひかり回線の状況を踏まえると当然100Mbpsを下回る通信速度になってしまうことは想像できるかと思います。

回線が混みやすい

ひかり回線は集合住宅に住んでいる人全員で回線を共有しています。そのため、ほかの住人がインターネットを利用していると、VDSL設備の方で回線が混みあってしまいインターネットに接続しにくくなってしまいます。

特に、夜になると仕事から帰ってYouTubeやゲームなどをする方が多くなりますから、当然インターネット利用者が増え、通信が不安定になります。

まとめ

電話回線を用いたひかり回線は工事が簡便であることや、利用料金が安いといったメリットはあるものの、インターネットの接続が不安定になったり、早い通信速度を求めるリアルタイムゲームなどには向いていません。

一方動画視聴などあまり速い回線速度を利用しない場合には、VDSLでの回線でも問題ないでしょう。

そのため、VDSLである方で速い通信速度を希望する場合には、戸建て回線の敷設をおススメします。

集合住宅であっても、戸建て回線を利用することは可能です。

工事業者に来てもらったときに、ビス止めや穴あけが必要になるかどうかを確認して、後ほど管理会社や大家に確認することも可能です。

また、物件入居前に工事の可否や通信設備について不動産会社に確認しておくのも大切です。

インターネットなしでは生活ができないといっても過言ではない社会です。自分に合った回線を利用していきましょう。

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